スリーパーズ　１９９６年（米）ブラッド・ピット
ニューヨークの下町、些細な悪戯心が元で通行人に怪我を負わせ少年院に送られた４人の少年達。
彼らはそこで看守達により酷い性的虐待を受ける。
やがて成人した４人のうち２人は町で自分たちを虐待した看守と再会、持っていた銃で相手を殺してしまう。
新聞記者と検事補になっていた残りの２人は看守達に復讐を果たすため、犯人の二人を無実で釈放させようと独自の活動を行い始める。


ベストセラー小説の映画化で、ノンフィクションというふれこみだが、あまりといえばあまりの内容にフィクションではないかと論争が起こったらしいです。

幼い頃の仲良し４人組が再会して一緒に過去の傷に立ち向かっていくという、ある意味犯罪事件に関わってしまった凶悪な『スタンドバイミー（その後編）』（苦笑）。

ケビン・ベーコン（悪役だ）、ブラッド・ピット、ロバート・デニーロ、ダスティン・ホフマン、ブラッド・レンフロなど大スターが多数出演で、凄まじく豪華な映画なんですけど、私的にはストーリーが…。

ひょっとしてゲイ向けの映画だったのだろうか？とか邪推してまいそうな（イヤな見方だ…）幼い少年達への虐待シーンがあるんですが、当事まだそういうのに免疫がなかった私としては非常にショッキングで生々しく、見ていて辛くなってしまいました。（それほど直接描写でもないんですけどね。今思うと／苦笑）

男性が男性をレイプするというのは日本ではあまりメジャーじゃないというか、それほど実感がこもらないのではと思いますが（でも最近この手の犯罪ひじょーに増えてきた。日本もだんだんアメリカナイズされてきたということか…哀）、男性女性に関わらずこういった性的虐待ってものすごく精神ダメージがでかいものですし、ましてやそれが何も知らないいたいけな子供達だったらもう…大犯罪ですよね。

私的にもちょっと考えが古いのか性犯罪ものはタブーっていうかそういうシーンがある映画にショックを受ける傾向にあるんですけど、これはもろに私のイヤなパターンでした（苦笑）。

また、後半を盛り上げるためか問題提起のためか知らないですけど、妙に少年時代の話が長くって、前半の重苦しい話が成長して戦っていく後半のストーリーよりもはるかにインパクトがあったのもこの映画を楽しめなかった理由かもしれないです。

あとひょっとしたらキャスティングのせいかもしれませんが、どーもレンフロが育つとピットになるというのが想像できなくて（苦笑）…殺人に走った２人はともかく、残り２人はあそこまで健やかに成人できるものかなあ？と思っちゃったりもしました。

何かそういうエピソードがあれば…要するに子供時代と大人時代のギャップがありすぎてうまく感情移入できなかったんですよね。

そんなこともあって決着も正直「こういうものなの？」的な納得のいかなさもあり（実話なのでしょうがないかもしれませんが）、全体にかなり消化不良な映画でした。
皆が再開するラストシーンはそれなりにさわやかでしたけど。

俳優はとにかく豪華なので（ただそれに目を奪われ過ぎてストーリーを楽しめなかったのかもしれない。豪華すぎるのもこの際考えものか）、それぞれのファンでちょっとハードなストーリでも平気という方なら楽しいかもしれません。

私的には牧師のデニーロが好人物でいい感じに感じました。
まあブラピもかっこいいけど…（笑）。



ＵＰ　２００２．９．１２



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